日本花の会

花のまちづくり

第11回 花のまちづくり優秀事例発表会

花のまちづくりのレベルアップを図るために、全国花のまちづくりコンクールで入賞された方を中心にその取り組みを発表していただく花のまちづくり優秀事例発表会を毎年開催しています。

第11回 花のまちづくり優秀事例発表会 (第25回コンクール)

日程

2015年10月27日(火)

場所

日比谷図書文化館 (地下1階コンベションホール)

花のまちづくり優秀事例発表

美しく品格のあるまちを目指して ~ガーデンシティみしま~
市町村部門 三島市(静岡県三島市)

南大塚駅発、未来の花のまちづくりへ
団体部門  南大塚都電沿線協議会 (東京都豊島区)

四季香り心ほころぶ『花の岬香々地』
団体部門  特定非営利活動法人花と緑のまちづくり 高槻景観園芸クラブ (大阪府高槻市)

“今、できることから始めよう!楽しく広がる花のまちづくり”
団体部門  花いっぱい運動推進グループ、NPO法人長崎鼻B・Kネット (大分県豊後高田市)

全国花のまちづくりコンクール 第25回記念 特別講演

富山県が進める花のまちづくり
~頭取・グリーンキーパーが引き出す「花の力」~

公益財団法人花と緑の銀行 普及研修部長 山本 良孝 さん

写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

全国花のまちづくりコンクール第25回を記念して、公益財団法人花と緑の銀行 普及研修部長 山本 良孝 さんを迎え、特別記念講演を行いました。

当日配布資料(プログラム・要旨)

第11回 花のまちづくり優秀事例発表会(第25回コンクール)

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美しく品格のあるまちを目指して ~ガーデンシティみしま~

三島市

活動のきっかけと活動概要

街並みを緑と花いっぱいにするため未利用地を活用し、幾つかの花壇整備を行い、隣接する自治会、事業者、小中学校など市民ぐるみで花壇活動を始めたのが、本市の花のまちづくりのきっかけです。また、あわせて緑化協力団体「三島花の会」が1980(昭和55)年に設立され、これ以降、地域の人々が緑化チームをつくり自主的に管理を行う地域花壇の広がりなど、市内には花のまちづくりへの理解が深まっていきました。

2011(平成23)年には、これまでの取り組みを昇華させ、さらに事業を拡大し、花を生かしたまちづくり「ガーデンシティみしま」を市の重要施策として位置づけました。この「ガーデンシティみしま」は、水と緑、文化と歴史、富士山の景観など、昔から三島市が持つ財産に「花」という癒しの彩りを添えることで、三島の魅力を高め、観光や産業振興及び地域の活性化につなげる取り組みです。

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活動で努力している点

市で運営する圃場であるみどり育苗センターを供給基地として、地域の人々が自主的に花壇活動を行う地域花壇などに緑化資材を提供しています。また、市で管理している公共花壇や中心市街地の立体的花飾りの維持管理の拠点ともなっています。なお、この公共花壇などの管理は、自治会、団体、学校、事業者等の市民と協働で植栽をするとともに、維持管理についても市民と協働で行っており、多くの皆さんが花のまちづくりに参加しています。主役となるのは地域の人々であり、行政はあくまでも調整役や相談役となるように心掛け、市民の皆さんが花のまちづくりに参加しやすい仕掛けづくりを行っています。

また、2014(平成26)年3月には、ガーデンシティみしまアクションプランを策定しました。これは、単に花を飾っておしまい、ではなく、市民力の強化、地域ブランドや癒やし空間の創出など、総合的に花のまちづくりを行っていくことを目的としたものです。

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前回受賞時との違い

「ガーデンシティみしま」の取り組みが始まり、2年目の年である2012(平成24)年に当市は、本コンクールにおいて花のまちづくり優秀賞を受賞しました。この受賞をきっかけに市民参加が加速し、2012(平成24)年10月には中心市街地の立体的花飾りの作製・維持管理を専門的に行うボランティア団体「花サポーターみしま」が設立され、現在では一年を通じて美しい花を咲かせています。また、花のまちづくりの意識を幼少期から高めるため、2012(平成24)年12月から、小学生を対象とした寄せ植えづくりの講習会を開催しています。さらに2015(平成27)年からは「花壇なかまの交流会」を開始しました。これは、花壇活動に携わっている市民や各団体の横の繋がりから生まれる情報交換の機会を醸成することを目的に実施しました。これら取り組みにより、花のまちづくりが加速することを目指しています。

活動の成果

このような花のまちづくりの浸透の結果、前述の地域花壇は、2012(平成24)年3月に50件であったものが、2015(平成27)年9月現在81件に増加しました。この地域花壇は中心市街地や郊外に点在し地域の環境美化の向上に資するとともに、花壇活動を行うことで地域の人々のきずなづくりに貢献しています。また、2014年(平成26)年には、三島市内の企業が社会貢献の一環として行う企業花壇がスタートし、企業ならではの大規模な花壇の展開や組織的な維持管理が行われています。

中心市街地においては、スタンディング式や街路灯固定式の立体花飾りをはじめとして、商店主が自主的に設置したハンギングバスケットなどが街なかを彩り、三島に住んでいる人、観光で訪れた人へのおもてなしの一つとなっているように思えます。

今後の展開

誰もが「三島に住みたい、訪れたい」と感じてもらえるまちづくりをするため、「品格ある美しいまちなみの創造」「元気あるにぎわいづくり」「新たなコミュニティときずなづくり」を事業目的として、市民や各団体との協働で推進していきます。花のまちづくりの本当の成果が現われるのは50年先、100年先のこととなるかも知れませんが、この度の花のまちづくり大賞受賞を励みに末長い活動を続けて参ります。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

南大塚駅発、未来の花のまちづくりへ

南大塚都電沿線協議会 会長 小山 健 さん

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南大塚駅発、未来の花のまちづくりへ

南大塚都電沿線協議会 会長 小山 健 さん

活動のきっかけと活動概要

大塚の市街地では街の中心を都電荒川線が通っています。この都電沿いの両側に、通勤路、通学路、生活路にもなっている道路が走っています。この大事な生活路が、不法投棄のゴミや放置自転車、バイクなどで荒れ放題になっていて、汚く治安の悪い軌道敷沿線でした。自分たちで街を、大塚をきれいにしよう、活気ある街にしようと、有志が集まり活動が始まりました。

また、豊島区では平成18、19年と「グリーンアートフェスタ」が開催され、大塚地区は「都電とバラ」という名物を作ることで来街者の増加、商店街や地域の活性化を目指すことし、2008(平成20)年「南大塚都電沿線協議会」が発足しました。沿線に植えられていた100株程のバラを生かし、協議会としての活動が始まりました。バラの植樹作業は、商店街と地元の方々が中心となり、力を合わせ2010(平成22)年の春と秋で300種410株、2011(平成23)年には120種120株、2013(平成25)年は70種70株の植樹を行い、現在は500種710株と品種では都内1番となりました。

また、バラの栽培や剪定についての勉強会を行ったり、講師を招いて講習会を開いたり、会員を募り山形県村山市東沢バラ公園に研修に行ったりと、会員相互の親睦を深め、活動への絆や輪を広げる努力をしています。毎月第3日曜の作業日には、小学生から高齢者の方まで参加して、きれいで素敵な沿線を維持管理しております。

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活動で努力している点、前回受賞時との違い

都電軌道敷沿線と言うことで、とても狭いスペースにバラを栽培しているため、土作りに力を入れています。無農薬・有機栽培にもこだわり、馬糞、籾殻、わら堆肥と共に、空いているスペースで米ぬかや油粕、有用微生物を用いて生ゴミなどで堆肥を自作して使用しています。また、剪定で出た枝木や雑草などは、区に回収して頂き再生してリサイクル堆肥として活用もしています。バラの花は、なるべく長く楽しめる様、四季咲きのバラを中心とし、皇室の薔薇、有名人の薔薇、ドイツの薔薇、イギリスの薔薇、フランスの薔薇、香りの薔薇、日本の薔薇、オールドローズなど9つにエリアを分けて植え、皆様に花に触れて香りを楽しんで頂けるように努力しております。

前回の受賞は、活動が始まってまだ間もない頃の2010(平成22)年でした。品種と株数は少なかったけれど、現在ではバラの品種が500種710株となり、バラがたくさん咲く春や秋に「バラまつり」を開催したり、「商人まつり」に参加してバラの即売会をしたり、「都電とバラ」をテーマとしたフォトコンテストも毎年開催しています。応募作品は南大塚文化創造館や地域の銀行ロビーに展示し区民の方々に楽しんで頂いています。高齢者の方々には、バラロードを散歩する事で“生きがいや健康づくり”に役立て頂きたいと「バラ見守り隊」を結成しました。オレンジ色のベストを着て、バラロードを散歩してコミュニケーションの輪を広げて頂いています。

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活動の成果

沿線のバラは現在500種710株となり、暗くて汚い沿線が明るくきれいになり、バラが美しく咲く素敵なバラロードとなりました。多くの方が、通勤や通学、買い物の途中で沿線を歩いてくれる様にもなりました。大塚の地域資源である都電荒川線と商店街を含めた街が一体化し、大塚の四季や風土を感じながら散策できる街並みが整備され、街全体として新たな魅力を創出することができました。

また、ほかの地域からの来訪者も多く訪れるようになり、沿線から商店街へ、商店街から沿線へとバラを観賞したあとに買い物をするなど、街や商店街の来街者が増加し、地域コミュニティーなどにフォトコンテスト参加作品を飾って頂くことで、「バラの街大塚」のイメージ作りも出来ました。豊島区の進める、安心安全の街づくりにも寄与できていると考えます。活動に地域住民のみならず地元の小中学生がボランティアとして参加する機会もあり、世代を越えた絆の輪も広がり、環境に対する意識向上や街に対する愛着心も高まってきています。

今後の展開

現在、JR大塚駅前地下駐輪場(地上は広場)の工事が終了すると、新しいバラのエリアが軌道敷沿いにでき、駅前からバラロードがつながる様になります。また広場には、バラのトレリスを4本立て、大塚駅南口を出るとそこからバラの花と香りにあふれる街が広がるよう計画しています。より多くの方々に大塚のバラを楽しんで頂けるようにし、大塚がもっともっと盛り上がり、活気溢れる街になるよう様々なイベントとコラボして、活動の輪を広げて行きたいと考えています。高齢者から子供までが一緒に活動する事によりコミュニケーションの輪を広げ活動の絆を深める事を目的に、安心安全で、活気ある、素敵な街大塚にして行くことが私たちの願いです。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
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写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

“今、できることから始めよう!楽しく広がる花のまちづくり”

特定非営利活動法人花と緑のまちづくり 高槻景観園芸クラブ 理事長 小林 美代子 さん

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“今、できることから始めよう!楽しく広がる花のまちづくり”

特定非営利活動法人花と緑のまちづくり 高槻景観園芸クラブ 理事長 小林 美代子 さん

活動のきっかけ

1999(平成16)年に、私が初めて高槻警察署を訪れた時、“殺風景なところだなぁ“と感じました。ちょうどその頃、自宅にたくさんの花を植えていたので、それを持ち込むつもりで署長さんに「署の庭や花壇を整備しましょうか・・」と申し出て、仲間ともに署内の空地を耕して、花を植栽したところ、見違えるように警察署が美しくなりました。

ある日テレビを見ていたら、見どころスポットとして警察のガーデンが紹介されていて驚きと感動を覚えました。これをきっかけに「まず今できることから始めよう!今ある緑地を美しく生まれ変わらせよう!」と決心し、同時に緑と花のまちづくりを学習するために、2年間兵庫県立淡路景観園芸学校に通いました。その翌年、警察署長より「多くの来庁者や署員の心を和ませて頂きありがとう」との感謝状を頂き、勇気と元気、そして花の活動に自信を得ることが出来ました。

活動がやっと軌道に乗ってきたので、高槻景観園芸クラブを設立しました。JR高槻駅前緑地を市の玄関口として相応しい景観にしよう!との思いで、ウエルカムガーデンと名付けて、まずは草抜きから始め、花植え活動を本格化させました。今ではメンバーも増え、活動範囲と領域も広くなりました。その間、行政機関や学校等と連携し、花を植えて育てる活動を実践しながら現在に至っています。ふとしたきっかけで活動が始まりましたが、多くの方々の活動参加も増えてきました。

活動で努力している点

「自分たちの住むまちは自分たちでどうにかしよう!」という思いから、花と緑豊かなフラワーロード作りを進めています。活動を通じて生きがいや仲間づくり、健康づくり、そして何よりも社会貢献ができることを目標にしています。花を育てる、まちを育てる活動を通じて、社会貢献の意義と楽しさを感じる中で“出会い”と“きずな”が生まれます。“きずな”が出来れば、災害の時などには声のかけ合い、助け合いができます。何より健康な心と体を養うことが出来るのではないかとも考えて活動を続けています。

●クラブ運営とガーデン管理 グループ作り(一斉活動とグループ活動)
2015(平成27)年にNPO法人化し、名称も花と緑のまちづくりと変わりましたが当クラブの本質は変わらず、自主性を重んじ、「参加しやすく、参加して楽しく活動して仲良く」をモットーにその人に応じた活動を進めています。メンバーの色々な“夢”の提案は大歓迎です。
各々が取り組んでみたいことを遠慮なく云える雰囲気作りを心がけています。会員が納得したら提案はOKで、皆がサポートし合って進めるまちづくりをしたいと願っています。現在は、活動グループが自然とでき、そのグループごとに活動曜日を決め、定例活動日を、火、水、土とふやし、自由参加は大歓迎です。グループによっては活動の時間帯により早朝組、ひまわり組などができています。

●JR高槻駅前ガーデンの管理
日蔭、人の目線など考えて見所をつくっています。したがって、多くの市民が利用する歩道橋から見下ろす花壇の見せ方も大切になってきます。メンバーたちの「ここは○○したい」と意欲満々の思いを語り、それに近づけようと活動はおのずと力が入ります。さらに、花が見栄えするよう立体的に土盛りし、内側には宿根草や球根、外周には一年草などを植えるように工夫をしています。併せて、予算が限られていることもあり、挿し木や挿し芽、タネで増えなおかつ管理しやすい種類の花を使う工夫もしています。
風に揺れる小輪花の可愛らしさ、作業中のハーブやバラの香りは、ガーデンを見る人ばかりでなく、作業をする私たちにも心の安らぎを感じさせてくれます。

活動の成果

●活動のひろがり
1999(平成16)年に数少ない仲間と共にスタートした当クラブですが、日々の活動を続けていくうちに、今では会員が60名になりました。活動場所も警察署、JR高槻駅前、阪急高槻駅前、国道171号線の歩道、城跡公園北玄関周辺、花の小路等、市内で10ヶ所、花苗の数では15,000株を植えるほどに広がり、市街地でたくさんの花を見ることが出来るようになりました。道行く多くの人々からは感謝の言葉を頂くこともあり「ありがとう」「ご苦労さん」の声掛けには疲れも吹き飛びます。点から線へ、線から面へと花いっぱいのまちにしたいと夢を語っていましたが、少しずつ実現してきたように思います。
2008(平成20)年からは「寒い冬空に市民の手で市民の花を咲かせましょう!」と呼びかけ、JR高槻駅南の花壇に手作りのイルミネーションを飾る活動を始めました。設置等には延べで120人が活動します。一昨年には世界遺産となった富士山をイルミネーションで作成しました。高槻市制70周年を記念して、点灯式には高槻市長と市会議長に参加頂き、高槻市長からは、この取り組みは「高槻市の冬の風物詩となるでしょう。」との評価をいただきました。
また、以前、JR高槻駅前の緑地をなくす計画がありましたが、行政の計画変更により、緑地ガーデンが駅前のシンボルとして保存されることになりました。私たちの活動の大きな成果だと思っています。
2009(平成21)年からは、花壇の栽培技術やデザイン性の向上にも目を向け、高槻市との共催により「花と緑のまちづくりコーディネーター養成講座」を開催し、市民の花と緑のまちづくりへの関心の向上に努めています。講座を修了された方を優先して「淡路島バス研修ツアー」を催行し、毎年40名を超す参加者があり好評です。また、このツアー参加者の中からの協力者も増えてきました。

●高校生とのコラボレーション
さらには、当クラブの活動が注目され評価されるようになりました。外国人留学生が毎週ボランティア作業に参加してくれるほか、活動している近隣の中学や高校からも緑化・植栽の要請があり、生徒たちに植栽指導したり、共同で植栽作業を行ったりして花の小路の街園等が完成しました。

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今後の展開

市では現在、安満遺跡公園の整備をしています。JR高槻駅から安満遺跡公園までの道路を、花と緑でいっぱいの道にしたいと考えています。大人も子供も少し病気の方も「あの花どうなった。あの花壇を見たい。」と関心を持たれ、ちょっと休憩、息抜きに外へ出たくなるような「花と彩りあるみどり」のまちづくりを行い、「高槻はどんなまち?」と聞かれたら、「どこにでも花と緑がいっぱいある街ね。」と答えられるまちにするのが私たちの夢です。一番の願いは、「森林植物公園」を作りたい! また、園芸療法も頑張りたい! 一歩一歩みんなも一緒にがんばりたいです!!

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四季香り心ほころぶ『花の岬香々地』

花いっぱい運動推進グループ 代表 塩﨑 裕子 さん
NPO法人長崎鼻B・Kネット 理事長 近藤 哲憲 さん

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四季香り心ほころぶ『花の岬香々地』

花いっぱい運動推進グループ 代表 塩﨑 裕子 さん、NPO法人長崎鼻B・Kネット 理事長 近藤 哲憲 さん

花いっぱい運動のきっかけ

長崎鼻リゾートキャンプ場は大分県国東半島の北部に位置する岬にあり、瀬戸内海国立公園および県立自然公園に指定されています。長崎鼻は大分県民にとって、キャンプと海水浴でにぎわうリゾート地でありましたが、近年の少子高齢化やレジャーの多様化等の影響により来場者が減少し、また農業情勢の悪化や過疎化の影響により、この周辺には耕作放棄地が目立ちはじめ、景観の悪化をたどっていきました。

2007(平成19)年4月に結成した花いっぱい運動推進グループが、キャンプ場入口付近の耕作放棄地29aを借り受けて開墾し、地域振興を目的とした香々地こうごうち地域おこし連絡協議会(地域ボランティアグループ16団体)のメンバーとともにひまわりの種まきをしました。

地域が一体となった花いっぱいの活動

ひまわりを作付した周辺の耕作放棄地をさらに借り受けて、花いっぱい会員や地域おこしメンバーによって整備された畑に、地元の小学生と保育園児によって63aにハナナの種をまき、雑草の生い茂る畑が菜の花畑となりました。

またキャンプ場の幹線道路沿いの畑は、季節ごとに異なる花を育て、春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモスの咲く花公園となってきました。

毎回の種まきには会員や地域おこしメンバー、児童、保育園児の参加のもとに実施され、現在でも継続しています。平成21年には360aの耕作放棄地が解消され、地域住民によって作られた花畑が魅力ある景観となっていきました。さらに地区の小学校では、今ではこの活動が教育計画の中に位置づけされています。

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長崎鼻B・Kネットの設立・取り組み

2010(平成22)年4月に長崎鼻に自立した地域振興および地域への経済効果の波及を目的として、長崎鼻B・Kネットが設立されました。事業推進のテーマを「五感リゾートの構築」とし、周年花公園化による『花の岬香々地』づくりに花いっぱい運動推進グループとともに活動を始めました。

●耕作放棄地の再生が景観の再生へ
2010~2011年にかけて耕作放棄地再生事業に取り組み9.4haの耕作放棄地が解消され花畑としてよみがえっていきました。

●耕作放棄地の再生が花観光の創生へ
菜の花・ひまわりの開花の時期にはフェスタを開催することで知名度も向上し、県内外からの来場者が年々増加しています。
夏主体のキャンプ場でしたが、耕作放棄地を花畑にしたことで四季を通じて花を観賞できる岬となり、花公園・自然公園・施設の連環で見る・聞く・食べる・匂う・触れる(体験)による五感リゾートの構築で観光の再生が図られていきました。
2013(平成25年)3月に長崎鼻の花公園内にアートが誕生し、オノ・ヨーコさん、チェ・ジョンファさんの作品が設置されました。アーティストの持つ新しい感性やものの見方と国東半島の土地の力や歴史文化の出会い、この場所でしか鑑賞・体験することのできない作品によってアートと自然・花の融合による五感空間のブランド化がされました。

●花の利活用でオイルの六次産業化
花が景観再生のみでなく、2013(平成23)年に花によるオイル(菜の花油、ひまわり油、つばき油)が開発されました。
菜の花とひまわりの作付には、遺伝子組み換えのないこだわりの種をまき、肥料は鶏糞や油カスを使用し、農薬や化学肥料は一切使用しない環境にやさしい有機栽培をしています。
生産増収のため2012(平成24)年には、農業機械の導入、2014(平成26)年4月には焙煎圧搾法による搾油所が大分県で初めて稼働しました。また、オイルをベースにした加工品の開発と加工体験施設としてのオイルラボが新設され、高付加価値加工品の商品化と加工体験による交流と普及活動の推進をしています。2012(平成24)年4月に集客施設としてのオイルを使った料理を提供するレストラン(フィオーレ)とオイルや地域特産品を扱うショップ(オーリオ)を新設すると同時に都市への販路拡大を図っています。

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活動の成果による「花の岬香々地」誕生

地域住民が手がけた花の作付けが現在では17.8haの花公園となり、キャンプ場内には自生のツワブキ2haやふじ棚15本、あじさい1,800本、水仙5,000球、椿500本が植栽され、四季折々に花の咲く岬となり観光地として脚光をあびてきました。

景観再生のために植栽した花が観光資源・産業資源さらに予防医療資源となり、地域コミュニティの形成、地域の交流人口の拡大、若者の雇用拡大、地域への経済的波及効果など自立した地域振興が実ってきています。

今後の展開

地域住民との協働によって景観づくりを継続するとともに、花事業による自立した地域振興を図り、花観光・花産業を展開していきたいと思います。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
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全国花のまちづくりコンクール 第25回記念 特別講演

写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

富山県が進める花のまちづくり
~頭取・グリーンキーパーが引き出す「花の力」~

公益財団法人花と緑の銀行 普及研修部長 山本 良孝 氏