日本花の会

花のまちづくり

第14回優秀事例発表会

花のまちづくりのレベルアップを図るために、 全国花のまちづくりコンクールで入賞された方を中心にその取り組みを発表していただく花のまちづくり優秀事例発表会を毎年開催しています。

第14回 花のまちづくり優秀事例発表会 (第28回コンクール)

日程

2018年10月24日(水)

場所

日比谷図書文化館 (地下1階コンベンションホール)

花のまちづくり優秀事例発表

花で彩るまちづくりを目指して
団体部門  十文字環境美化を考える会 (秋田県横手市)

合言葉は『花と対話する山中生』 ~ 花がつなぐ ふるさと やまもとの輪! ~
団体部門  長岡市立山本中学校 (新潟県長岡市)

住民の夢をコスモス畑で咲かせる
団体部門  まちづくり宮ノ下地区委員会 (福井県福井市)

地域に愛される緑のオアシス
団体部門  長池オアシス管理会 (大阪府熊取町)

花のまちづくりスキルアップ

写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

“花の育種・・・私流”

千葉大学名誉教授・ガーデンそよかぜ園主
安藤 敏夫 さん

花のまちづくりの啓蒙・普及のため、全国花のまちづくりコンクールの優秀事例発表会及びスキルアップ講座を企画しています。

当日配布資料(プログラム・要旨)

第14回 花のまちづくりコンクール優秀事例発表会 (第28回コンクール)

写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

花で彩るまちづくりを目指して

十文字環境美化を考える会 会長 小川 健吉 さん

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花で彩るまちづくりを目指して

十文字環境美化を考える会 会長 小川 健吉 さん

活動のきっかけ

  「秀麗無比なる…。」 と秋田県民歌の一番一小節に歌われている鳥海山は、我がまちからの雄姿と眺望が素晴らしく、何かにつけて本県のシンボルの対象とされます。古来、秋田富士とも呼ばれるこの山は、夏場でも多くの残雪があり、横手盆地の山並みの中でもその存在感が際立っています。

  本県は高齢化と人口減少率が全国一で、その現象が顕著となっているのが横手市です。このように危機的な状況にありますが、「俺もやらない、お前もやるな」という本県の気質が、そのままで取り残されているような印象を受けています。

 十数年前に仕事を退き、町を散歩する機会が多くなってきました。その中で目にする光景は、「衰退していく商店街、増え続ける空き家、荒れる休耕田」等で、町の全盛期を知っている私にとって、大きな寂しさを感じていました。

  そんな時、ふと見たテレビ番組で「住みたいまちベスト3」のアンケート調査結果を放映していました。

① 働く場所のあるまち
② 子どもを安心安全に育てられるまち
③ 花や緑が多くあり安らぎを感じられるまち

 どの項目を見ても我が町には当てはまらないものばかりでした。それでも、もしかしたら「街に花や緑を増やす」こと ができるかもしれないという思いが脳裏に浮かんできました。それは長年の間、『環境は人をつくる』をモットーに、学校環境緑化活動に携わってきた経験があったからです。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

活動の概要と困難点の克服

 2007 (平成19) 年に「十文字環境美化を考える会」が設立されたのを機会に、その中にボランティア組織を発足させました。花壇づくりや桜の植樹に取り組んできましたが、クリアしなければならない問題が多く、間もなく活動が行き詰ってきました。その状況を活動する上で克服できなかった困難な点を挙げれば、①何をするにも許可が必要、②ボランティ ア仲間が増えない、③苗や肥料を買う経費の捻出、などでした。

  その様な折に、市報に「地域づくり協議会」を発足させるので一般市民から4名ほどの公募がありました。これに応募し、その一員として4年間活動してきました。この会の中で自分たちの描いていた「花で彩るまちづくり」のプランを具体的に提示し、各委員の賛同を得ながら大きく前進させることができました。この協議会は、①まちがよくなることを提案できる、②決まったことは尊重してくれる、③協議会独自の予算がある、という特性を持ち、これまでやり遂げられずにいたことが現実化していき、現在の「花で彩るまちづくり」の基盤となり充実した活動に結びついています。

花壇づくりにあたって配慮していること

 花壇づくりにあたって、次の事柄に配慮して活動しています。

・ 花壇はできるだけ人通りが多く人目につきやすい場所につくる。
・ 土づくりを大切にし、堆肥や腐葉土、また、EM菌を多く用いている。
・ 花苗は乾燥や病気に強く、長く咲き続け安価なものにしている。
・ 平面な花壇は立体的に、直線の花壇は曲線になるように植栽を工夫する。
・ 見る人たちに飽きさせないように、毎年ひと工夫している。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

活動の成果と波及効果

・ 「お疲れ様」「散歩が楽しみです」「期待しています」等の声が聞かれる。
・ 雑草地が花の大地に変ってから、ゴミや空き缶を捨てる人が減少している。
・ シンボル花壇の効果が各町内や集落に広がりを見せてきている。
・ 「俺らほは何も無い所だ」とよく言う。しかし、今は少し違ってきている。
・ 何事も他人任せの県民病が少し良くなってきたように感じている。
・ 地域の方々に「感動」と 「感激」を与え、大変「感謝」されている。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

今後の展開

・ 面的な展開になるまでは困難ですが、点から線になるように花壇づくりを推進する 。
・ ボランティア委員が負担にならないように事業者や集落の方々を巻き込む。
・ 前年度の反省を踏まえ、さらに魅力度アップの花壇を推進する。
・ 学校関係との連携を密にして、ふるさと教育の充実と郷土を愛する心を培う。
・ 花壇づくりを通して「花の輪・人の輪・心の和」をまちに広げていく。

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合言葉は『花と対話する山中生』
 ~ 花がつなぐ ふるさと やまもとの輪! ~

長岡市立山本中学校 石川 明 さん

活動のきっかけと活動概要

 山本中学校の校区は花を育てている家庭が多い地域です。1987(昭和62)年、創立40 周年を記念して、約250㎡の花壇が作られたのを機に、それまで以上に花壇活動が盛んとなりました。以来、「山本中学校花いっぱいプロジェクト」と題し、土作りから花苗植え、花壇の手入れは生徒会が中心となり、全校生徒と職員が協力して活動しています。その年の花活動のテーマを全校生徒で考え、テーマにふさわしい花壇のデザインも考えています。また、地域の福祉施設や公共の施設と花を通した交流活動を継続的に行うなど、花による地域活性化を意識した中学の伝統的な活動として取り組んでいます。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

活動で努力している点

 当校は、周囲を木々で囲まれた小高い丘にあるので、多くの人々から花壇の景観を目にしてもらう機会が限られています。そこで、日頃の花活動をPR しながら、活動の場を地域に広げる工夫をしています。

(1)積極的に出向いて一緒に花活動

 地域のコミュニティセンターとの連携が最も大きく、市の緑化センターや花いっぱい協議会が主催する活動に参加する他、近隣の福祉施設や特別支援学校にも出向いて活動をPR するとともに、花を通じた交流をしています。単発の取り組みでなく、継続的な取り組みとなるよう協力関係を築くことで、人と人、地域と地域の繋がりが広がりました。

(2)オリジナリティを生かしたPR 活動

  当校には、花活動キャラクター「はなちゃん」がいます。校内だけでなく、様々な活動の場に登場し、地域と学校、市や県など自治体と学校、さらには人と人とをつなぐ一助を担っています。

(3)弱点を強みに

 当校は全校生徒56人、教職員をあわせて約70人の小規模校です。生徒数の減少傾向は続いていますが、逆に学年を超えて生徒が一丸となり、生徒と職員がともに汗を流し、そして、地域から支援の力をいただくことで、一体感をもった活動となっています。結果として、伝統的な「花との対話」を途切れさせず、「花の郷やまもと」のDNA を受け継いでいます。

●前回受賞時との違い

 昨年、花のまちづくり優秀賞を受賞しました。その中心的な取り組みは、2004(平成16)年の豪雨による水害、さらに同年の10月には中越地震に見舞われた当時の山本中学校の生徒が、被災した地域を花で元気づけようと、約600個の花プランターを地域に届けた活動にならい、100個以上の花プランターを通学路や公共施設、家庭にプレゼントし、地域を花で活気付けようと取り組みました。

 今年は今まで以上に活動を発展させようと、地域のコミュニティセンターとの連携を強化し、地域の「山本花いっぱいフェスティバル」に全校生徒が参加しました。さらに、同日開催の山本中学校花いっぱいプロジェクト親子花壇活動には、地域の方の参加が前年の2倍以上となりました。地域がひとつとなり、一緒に活動することで、「やま もと花活動Day」となりました。

 そして、地域と一体となった花のまちづくり企画として、昨年収穫したカンナの種と球根から、カンナプランターを作り、各町内で育ててもらいました。また、全校生徒で、たねダンゴ「しあわせのやまもとはなだんご」を作り、町内の方々にプレゼントした他、たねダンゴプランターをカンナと一緒に育ててもらいました。各町内の協力のおかげで、町中がカンナとたねダンゴから育った花でいっぱいになりました。

 これまでも地域とともに花活動を継続してきましたが、地域と一体となった「花の郷やまもと」に大きな一歩を踏み出すことができました。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

活動の成果

 毎年、生徒は1 年間の活動のふりかえりを行っています。その中で、「思いやり」「協力性」「責任感」が、年度当初より成長できたと全生徒が実感しています。また、「花活動を通して地域に貢献したい」という声が年々増えています。今回のように地域へ出かけ、地域の方と地域のために花活動を行ったことで、「地域に貢献できた」という満足感も得ています。また、地域で育てていただいている花プランターを登下校の際に目にすることで、地域への感謝の気持ちも高まっています。花活動を通した地域との関わりは、当校の教育活動の根幹の1つとして位置づけられています。花を育てること、地域に貢献しようとすることを通じて、生徒は心の成長を続けており、「花育」の重要性も実感できています。

今後の展開

 「全国花のまちづくり長岡大会」(2016年) 以来、地域とともにさらに花活動を発展させようと努力しています。毎年、新たな企画を取り入れることで、山本中学校の生徒が「地域の花活動リーダー」として、そして、山本中学校が「花の郷やまもと」の発信基地として、まちぐるみの花活動をさらに推進していきたいと思います。そのた めにも、原点である「花と対話する山中生」の精神と地域への感謝の思いを忘れずに、日々の花活動に取り組んでいきます。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

住民の夢をコスモス畑で咲かせる

まちづくり宮ノ下地区委員会 川端 希世子 さん

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住民の夢をコスモス畑で咲かせる

まちづくり宮ノ下地区委員会 川端 希世子 さん

活動のきっかけと活動概要

 1993(平成5)年に一軒の農家が、減反の田んぼにコスモスの大きな迷路を作りました。きれいに咲き誇るコスモスの中に子どもたちの笑い声が飛び交い、沢山の人が訪れて楽しい交流の場となりました。このことがきっかけでコスモスへの関心が地区内で高まり、次年度より休耕田でコスモスを育てる取り組みが始まりました。面積は年々広くなり、現在では17.5ha、東京ドーム4個分の広大な「コスモス広苑」となりました。

 田んぼを所有する数十軒の農家の意見を一つにまとめるまでには多くの問題や課題がありましたが、話し合いを重ねることですべての農家が取り組みに賛同し、力を合わせたことが、この活動の原動力になりました。

 “日本一広いコスモス畑” とテレビ放送で取り上げられたことなどで、年々コスモス観賞の観光に訪れる人が増えました。そこで畑の一部に「世界のコスモス園」を設けて、珍しい色や形のコスモスの花を咲かせたり、荷台にシートを取り付けたトラクターに、お客さんを乗せてコスモス畑の中を走る「花トラ車」を考案したり、ジャンボかぼちゃを栽培して展示するなど、来苑者に楽しんでもらえるよう、年ごとに試行錯誤を重ねて取り組んできました。

 10月初旬に行う「コスモスまつり」は1995(平成7)年に始まり、今年で24回目となります。

 

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

活動で努力している点

 まつりの当日は「ジャンボかぼちゃの目方当てクイズ」や太鼓、ダンスなどのイベントの他、地元で採れた新鮮野菜やかきもち、大学芋、コスモスサイダーなどのテント販売、コスモスを使った押し花教室など、地区を挙げてまつりを盛り上げます。

 やがて花の時期を終えたコスモスは田んぼの土にすき込まれ、次年の米作の良質な肥料になります。翌年のコスモス広苑は場所を変えてまた出現するのです

 農家組合が中心となって取り組んできたコスモス広苑も20 回を迎えた頃から、その将来に不安を抱えるようになってきました。この活動を始めた人たちは年齢を重ね、農家の世代交代もできない状況にあったからです。

 そこで、「ここまで頑張ってきたコスモス広苑をなくすことはできない」とまちづくり宮ノ下地区委員会が引き継ぐことになりました。当委員会は、育成会、壮年会、婦人会などの各種団体を傘下に組織されていて、コスモス広苑は宮ノ下全町内の子どもから高齢者までが、こぞって参加する活動へと広がりました。

 6月の種まき、草取りなどの作業は地区の住民総出で行い、コスモスは夏の日を浴びて大きく育ち、9月中頃から開花し始めます。コスモスの見頃は1ヶ月間ほどですが、この間を最高のものにするために、私たちは一生懸命に世話をします。猛暑の中での水やりや草取りは大変ですが、作業後の爽快感は格別です。ともに汗を流した仲間とのつながりは深くなり、楽しい交流の場ともなっています。

 また今年は、今まで地域住民だけで行っていた種まきを福井市民にも呼び掛けて、体験会を初めて開催しました。景観を楽しむだけでなく参加してもらうことで、さらに地域の魅力の発信になると思っています。/p>

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
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今後の展開

 一軒の農家から始まったコスモス広苑は、今では多くの観光案内にも載せていただくようになりました。かつては話題にのぼることの少なかった宮ノ下地区が、今では「宮ノ下といえばコスモス」と言われるようになりました。今年、地元の中学生が修学旅行先の東京でコスモス広苑のPRをしてきてくれました。子どもたちにとっても地域の誇りとなっているのです。

 20数年前からコスモス畑で遊んで育った子どもたちは、今では頼もしい活動の担い手になりました。コスモスは美しい景観だけでなく地区住民としての誇りも伝えています。

 「住んでいてよかった宮ノ下、住みたくなるまち宮ノ下」が私たちのスローガンです。毎年いつ花が咲くか、台風で倒れないかと不安との隣りあわせですが、秋には一面の見事な花の絨毯となるのを楽しみに、これからもコスモスを中心としたこの取り組みを、地域の宝として頑張ります。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

地域に愛される緑のオアシス

長池オアシス管理会 副会長 中島 英子 さん

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地域に愛される緑のオアシス

長池オアシス管理会 副会長 中島 英子 さん

活動のきっかけと活動概要

 長池オアシスは大阪府と熊取町が、ため池を農業用施設として活かしながら、周辺住民も利用できるような「水と緑に囲まれたオアシス」として整備できないかと考え、オアシス構想*1 における「住民参加」の考えから、多くの人が話し合って計画し、施工されました。

 2000(平成12)年11月にオープンしてからは、水利組合、周辺住民と池周辺の6自治会の役員が「長池オアシス管理会」の役員を担い、ボランティアで活動しています。

 本会の主な仕事は、貸し農園の管理、遊歩道の清掃、草刈り、花壇の手入れ、夏と秋のイベント開催、近隣小学校に環境学習の場を提供する、大阪観光大学とボランティア活動による単位認定協力などです。長池オアシス内にある121 区画の貸し農園の利用料を、熊取町が委託金として本会へ交付し、それを活動財源としています。

*1 「オアシス構想」とは、ため池や水路を農業用施設として活かしつつ、都市生活に“うるおい”と“やすらぎ” を与える貴重な環境資源として、住民と共に地域環境づくりを進めていく構想です。1991(平成3)年大阪府策定。

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活動で努力している点

 本会は熊取町から活動費が出ているとはいえ、メンバーの活動は完全なボランティアです。そのため、実際に維持管理活動を始めると、個人の身体的負担が多く、次第に中心メンバーが減っていきました。そして、徐々に長池の環境が悪化していきました。

 2003(平成15)年5月20日に、熊取町内で当時小学4年生の吉川友梨ちゃんが、何者かに誘拐されました。のどかな町に起った突然の凶事に、住民の誰もが戦慄を覚えました。連日捜索活動が行われ、地域住民も捜索に協力しましたが、残念ながら現在も発見に至っていません。

 この事件の発生以来、子どもを安全に守り育てる環境、地域住民の繋がりの重要性などを多くの住民が実感しました。環境が悪化したままでは、長池オアシスが地域の憩いの場になるどころか、危険な存在になってしまうことを危惧した近隣の住民が、会の活動へ積極的に参加するようになりました。

 それから3年間は、会のメンバー全員で環境を整える作業に明け暮れました。しばらくすると、メンバーが汗を流す姿を見た、オアシスの利用者側の意識も変わってきました。中には「何か手伝える事は無いか。」と聞いてくれる人も出てきました。会のメンバーだけでなく、多くの人にも広く維持管理活動にかかわってもらうため、本会のサブ組織として、オアシスメイツを立ち上げました。

 折角だから、長池オアシスを人気観光スポットにしようとも考え、観光の目玉として当初より水生植物帯に植えられていたハスの育成に力を入れました。専門家にアドバイスを仰ぎ、試行錯誤の結果、現在では夏になると水生植物帯一面にハスが咲き誇るようになりました。

 さらに嬉しいことに、長池オアシスで新種のハスが咲き、専門家に‘長池妃蓮’ と名付けていただきました。

活動の成果

 会の活動が軌道に乗る事ができたのは、大阪府と熊取町の支援が大きかったからです。普通なら「行政がつくり、その後民間へ渡して終わり。」という運営の形態が一般的でしょうが、長池オアシスにおいては、大阪府と熊取町の歴代担当者が一緒に汗を流し、今も会の活動をバックアップしてくれています。

 夏には熊取町内外から3,000 人もの人がハスを見に来られます。地元の老舗和菓子の会社に、長池オアシスで採れたハスの実を使った和菓子を創作していただき、ハスまつりの時期の名物になりつつあります。また現在は、歴史と伝統のある泉州タオルとコラボレーションして、ハス柄のタオル等を製造販売する企画をしています。

 秋には、近隣小学校の課外活動の場の提供、地元住民による楽器演奏会など芸術・文化的なイベントを開催し、好評を得ています。

 オアシスメイツは近隣の主婦、退職後の男性など約80 人となり、毎月2 回の維持管理活動だけでなく、イベントにも積極的に参加してくれます。数人の有志は、長年ポイ捨てされたタバコやゴミを毎日拾ってくれています。

 長池オアシスは清潔なだけでなく、四季折々の花が咲き、年間約13 万人の来場者の心を和ませてくれています。活動の成果を以下に列記します。

・地域の環境保全意識の高まり
・生きがいにつながる住民の社会参画
・住民・行政・企業の協働によるまちづくり
・ 教育的側面

 すべてにおいて良い成果がでています。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会
  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

今後の展開

 大阪府下には1万1千個のため池が存在し、その内の6割が泉州地域にあります。現在、近隣地域のため池管理者と協力して、泉州をハスでいっぱいのロータスランド(極楽)にしようと計画しています。これからも、長池オアシスを多くの方にアピールしていきたいと思います。

  • 写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

花のまちづくりスキルアップ講座

写真:花のまちづくりコンクール優秀事例発表会

“花の育苗・・・私流”

千葉大学名誉教授・ガーデンそよかぜ園主
安藤 敏夫 さん

[略歴]
千葉大学園芸学部で32年間教鞭をとられ、その間、ペチュニア属の遺伝資源に関する多くの研究と教育、業績を残す。また、花き業界の発展のためにオピニオンリーダーとなり、発信された数々の提言等は、将来を見越し示唆に富んでおり常に注目される。退官後は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに訪れる世界中の方々を開催期間中に咲く日本らしい花で迎えようとキキョウの育種と生産に力を注ぐ。