公益財団法人日本花の会

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第26回 全国花のまちづくりコンクール 花のまちづくり大賞

農林水産大臣賞

天野 和幸(静岡県浜松市)《個人部門》

“早世した妻を偲ぶ心の花園”

49歳で亡くなった妻を偲び、感謝と供養とともに多くの人の心の癒す花園となるよう、2000(平成12)年からバラ園づくりを始めました。自宅近くの4,000㎡の茶畑を開墾し、アーチやフェンス、城などの造形物につるバラを這わせ、立体的で見応えのある独創的なバラ園を作り上げました。

現在はバラ以外の時期も観賞できるよう早咲きの桜や花桃、クリスマスローズ、ユリなども植えました。これにより長期間何らかの花が楽しめるようになり、2月下旬~11月の間で1万人以上が見学に訪れます。毎年、新たなデザインの工作物を制作するなど、年々規模、内容とともに向上しています。また、園児が楽しめる施設づくりや園内の見学路にシートを敷いて、障がいのある方や高齢者にも安全に楽しんでもらえるような配慮もされています。

また、東日本大震災の被災地に花桃の苗木を提供するなどの被災地支援活動もされています。個人の花のまちづくりの取り組みとしては、様々な工夫にあふれ、多くの人を感動させその効果も大きく、大変高く評価されました。

  • 写真:早世した妻を偲ぶ心の花園
  • 写真:早世した妻を偲ぶ心の花園

吉田 博美(福岡県宗像市)《個人部門》

“花の魅力でつながり共育する 人とひと、人とまち”

仕事や趣味で培った花の栽培技術や知識を活かし、2003(平成15)年から自宅を拠点に花のまちづくりに取り組んでいます。自宅の庭1,200㎡は外からも楽しめる造りで、背後の山を借景に一年草や多年草、花木がバランスよく配されたオープンガーデンには10日で2,500名を超える人が訪れます。行政から講師を依頼される他、自宅でもバラや花壇の講習会を開催しています。今では受講生も講師を担うようになりました。市内の花壇では、むなかた「水と緑の会」の中核メンバーとして関わり、新たなオープンガーデン仲間も増えています。また市の花で絶滅危惧種でもあるカノコユリが、市内に自生する固有種であることを官・学の協力を得て究明し、後世のために「宗像カノコユリ研究会」を立ち上げて、その保全・活用にも取り組んでいます。

花の魅力を伝えて人材を育てるという考えで継続してきた取り組みが花開き、自宅は活動拠点として定着し、賛同者も増え、カノコユリも観賞会の開催に至るなど地域振興・活性化にも繋がっており、地域の花のまちづくりを牽引しているなどの点が大変高く評価されました。

  • 写真:花の魅力でつながり共育する 人とひと、人とまち
  • 写真:花の魅力でつながり共育する 人とひと、人とまち

国土交通大臣賞

熊谷 哲・恵子(兵庫県姫路市)《個人部門》

“里山を活かした地域の活性化”

自宅での花づくりは30年前から始め、現在の場所に転居してから17年になります。宿根草や花木類、ハーブ類などを植えた庭では農薬を使わず、環境にも配慮した花壇づくりをしています。10年前に長年放置されていた隣接する裏山の一部を購入し、放置ゴミや雑草の除去、間伐を行って里山として整備を始め、現在では近隣小学校までの散策路などを含めた2万㎡を整備しました。「自然を身近に感じられる落ち着く空間」をモットーに、近年では庭から里山との一体感が楽しめ、奥行きのある心地よい自然豊かな里山ガーデンづくりを行っています。ここを常時公開し、子どもたちの遊び場や散歩道として地域の憩いの場所となっています。

講師を招いての観察会や里山コンサートなどのイベントを行い、地域の潜在植生の保全を意識した環境教育の場としながら、他の団体と協力して花のまちづくりの普及啓発や地域のコミュニティ形成を実践し、里山放置林問題も含めた模範となる取り組みとして大変高く評価されました。

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宮崎空港ビル株式会社(宮崎県宮崎市)《企業部門》

“南国リゾート宮崎を目指し、市民と共に「大地に絵を描く」”

空港ターミナルやその周辺を中心に、空の玄関口として南国リゾート宮崎に相応しい環境づくりに従業員が一丸となって取り組んでいます。空港施設は花と緑に溢れ、歴史・文化を伝承する設えやイベントにより観光客を歓迎するだけでなく、市民交流の場としても活用されています。また創業者の「大地に絵を描く」という思想を受け継ぎ、ブーゲンビリアを活用した全県公園化を目指した取り組みも展開しています。自社で生産・管理する鉢植えの寄贈や各種イベントを通じて市民を巻き込みながらブーゲンビリアの普及を図っています。その結果、ブーゲンビリアは県のシンボルとなり、空港の愛称も公募によってブーゲンビリアを冠することに決定しました。

2011(平成23)年に自治体と周辺企業で「宮崎空港線修景美化推進協議会」を立ち上げ、ボランティアでの周辺美化が始まり、3年後の2014(平成26)年には「花ボラネット宮崎」を発足し、各団体や企業が連携して活動できる体制が整っています。国や県、市、市民を上手く融合させて、県内全域の花のまちづくりを推進している点が大変高く評価されました。

  • 写真:南国リゾート宮崎を目指し、市民と共に「大地に絵を描く」
  • 写真:南国リゾート宮崎を目指し、市民と共に「大地に絵を描く」