公益財団法人日本花の会

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桜の名所づくり

国指定天然記念物

樹勢衰退の要因調査

2002年(平成14年)、日本花の会では武川村教育委員会からより樹勢衰退の要因を探るべく、調査を依頼されました。
当会では「山高神代ザクラ樹勢回復調査委員会」を設け、土壌構造、土壌の生物性、病虫害などについて詳しく調査しました。

委員会の構成

委員長
比嘉 照夫
琉球大学教授・農学部農学科園芸学教室
委員(アイウエオ順)
大澤 正嗣
山梨県森林総合研究所森林環境部森林保護課研究員
河辺 祐嗣
独立行政法人森林総合研究所森林微生物研究領域森林病理研究室長
長谷川秀三
ジオグリーンテック(株)代表取締役
長谷川哲士
(株)四季計画事務所代表取締役
星野  豊
NPO地球環境共生ネットワーク研究員
渡辺 直明
東京農工大学農学部助手・附属SFセンター
事務局
財団法人
日本花の会

地上部の状況

  • 写真:地上部の状況
    ●赤いところが枝枯れしている部分。
    ●展葉期には十分葉が展開せず、丸くカールした状態。根に異常があることがわかります。
  • 写真:地上部の状況
  • 写真:地上部の状況
    ●土壌断面調査により、根元を中心に約40~80cmの盛土とその層にわずかな二段根の発達が確認されました。盛土の下の地山には、ようやく生きているような古い根も確認されました。
  • 写真:地上部の状況
    ●盛土層に発達していた根はネコブセンチュウ病に冒されていました。地上部の葉が十分に展開しなかったり枝が枯れてしまったりするのは、この病気が主因と思われます。

樹勢衰退原因

調査の結果、山高神代ザクラは国の天然記念物に指定された後に、石積みによる囲いの設置と囲われた範囲内で盛土を2回行っていることが分かりました。特に2回目の1971年(昭和46年)には盛土が40~80cmされ、神代ザクラの根圏に大きな変化をもたらしました。
踏圧等で根が弱っていたところに厚い盛土を受けたため、地中への酸素供給が乏しくなり、根は著しく衰弱または枯れてしまいました。また、盛土層に伸張した新しい根は、石積みの囲い内で清掃がいきとどいているため、有機質の補給がほとんどなく、生物性が乏しくなりネコブセンチュウ病が蔓延してしまいました。その影響であろうと思われる枝枯れが、枝の先端で今でも引き続き起っています。さらに櫓により枯れた幹の朽ちるのを防ぐことがある程度遅くできましたが、その直下は乾燥により不定根が発達せず、根元においても新しい根の発達に悪影響を与えました。

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