日本花の会

桜の名所づくり

第36回 2017全国さくらシンポジウムin日立

第36回「全国さくらシンポジウム in 日立 」 ~さくらとともに ひたち~

 平成29年度の全国さくらシンポジウムは茨城県日立市で開催しました。
市内を始め、全国各地から700名を超える参加者があり、日立の歴史を伝えるサクラをご堪能いただきました。

全国さくらシンポジウムとは

 日本花の会では、1982年より全国の桜研究家や学識経験者、桜愛好家、さらに桜の名所を持つ自治体の関係者の方々に呼びかけ、「全国さくらシンポジウム」を開催してきました。
 当初は研究者だけの集まりでしたが、1986年から市町村との共催となり、 開催地に関連するテーマを掲げ、社会的にも意義あるものになりました。
 各地で実践されている桜の名所づくりの取組み事例の発表を通じて、住民と行政が一体となった 地域の観光振興や景観美化などの地域づくり、まちづくりが全国各地へ拡がっていくことを目指しています。

2017全国さくらシンポジウム in 日立 開催概要

写真:全国さくらシンポジウムとは  毎年4月、日立市は、町がさくらいろに染まります。 春の陽光のなかで咲き誇るさくらは、日立市の歴史を語るうえで欠かすことができません。
 目の前に広がる緑豊かな山々、かつてこの辺り一帯から緑が消え、荒れ果てていたことがありました。 銅の精錬により発生する亜硫酸ガスが山々の緑や農作物を枯らしたのです。 企業と地域住民はともに苦しみ悩み、試行錯誤の末、当時世界一高い「大煙突」が建設されました。 また、何年にもわたるさくらなどの植林により自然環境は少しずつ回復してきました。 企業と地域住民が、ともに煙害問題の克服と自然環境の回復に取り組んできた歴史が日立市発展の礎になっています。
 終戦後、平和・復興への願いを込めて植えられた「平和通り」のさくらと一戸一木の献木運動や苗木の植栽・施肥など、多くの市民の善意によって整備が進められてきた「かみね公園」のさくらは、今では、市を代表する名所となっています。
 まち全体で大切に守り、育まれてきた市の花「さくら」を、次世代に繋いでいきましょう。

開催趣旨より


◆日程:

2017年4月6日(木) ・7日(金) 13:00~17:00

  
◆会場:

日立シビックセンター (茨城県日立市幸町1-21-1) 他

  

大会プログラム 4月6日(木)日立シビックセンター 音楽ホール

◆記念講演 14:50~15:50

写真:記念講演 『近年の気象とさくらの開花』
井田 寛子 氏 (気象予報士・筑波大学非常勤講師)


◆活動報告 16:00~16:40

~世代を超えた22世紀のさくらの山づくり~
 鞍掛山さくら100年委員会 副委員長 棚谷 格氏
    
写真:鞍掛山さくら100年委員会 副委員長 棚谷 格氏

 鞍掛山は日立鉱山から発生した亜硫酸ガスによって丸裸になった歴史があります。日立鉱山では、煙害の対策として大煙突の設置とともに自然環境を早期に回復する研究も進められ、耐煙性のあるオオシマザクラやヤマザクラが植栽されました。そのサクラが巨木に成長し、現在、日立市の資産ともいえる景観を作ってくれています。

 この素晴らしい歴史的な鞍掛山のサクラを市民、企業、行政が一体となって100年後まで保存しようと、「100年後に200本の桜の巨木がある山づくり」を目指す活動が始まりました。平成18年に専門家や市民団体、行政で組織された「桜の山づくり研究会」によって、現地調査を繰り返しながらコンセプトと整備方針を策定しました。それらを実現するために、平成19年に「鞍掛山さくら100年委員会」を立ち上げて事業を進めています。サクラの実態調査では、521本のサクラがあることが判明しました。その他にはサクラの保全作業、サクラ以外の樹木を含めた樹名板の設置、散策ルートの設置、安全対策などを実施してきました。最近では、活動紹介をするサクラウィークの開催やフォトコンテストなどのPR活動にも力を入れています。

 今後も、これらの活動を継続していくのと同時に、環境教育の場としても利用ができるような整備を進めていく予定です。

~日立市かみね公園「さくら再生プロジェクト」~

かみね桜守

写真:かみね桜守

 かみね公園は、憩いの場を求める市民の強い要望により、昭和23年に市民公園として着手されました。財政難により公園整備が中々進まない状況が続く中、昭和28年に地元の宮田・滑川地区の有志によって「神峰公園整備促進会」が結成され、一戸一木献木やサクラ苗木の植栽、施肥、草刈などの積極的な奉仕活動が展開され、昭和30年頃には日立市の顔となる公園に成長しました。

 しばらくはサクラの名所として賑わいを見せていましたが、近年サクラの衰弱が目立つようになりました。平成23年に専門業者による土壌調査、平成26年には樹木医や造園技能士の指導を仰ぎながらの市民と日立市による樹勢調査が実施されました。その結果、半数近くのサクラが生育不良と判断され、樹木医や造園技能士の有志で構成された「さくらのまちづくり勉強会」が設立され、市民や行政と協働によるさくら再生プロジェクトが始まりました。さくら再生プロジェクトでは、サクラの再生計画の策定し、更新事業として既存のサクラを植え替えるモデル整備、日立市で発見された‘日立紅寒桜’の拠点整備、管理事業として集中的・継続的管理をおこなうモデル管理、市民と協働に行う管理作業を通じて、桜名所の保全を進めています。これらをさらに確実に進めるために、平成28年に「かみね桜守」を設立し、サクラを大切に思う人を育てる!という想いで活動を続けています。

◆全国さくらシンポジウム会場の様子

  • 写真:会場の様子
    会場の様子
  • 写真:次回開催地 上越市の皆さん
    次回開催地 上越市の皆さん
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◆全国さくらシンポジウム懇親会

  • 写真:懇親会の様子
    懇親会の様子
  • 写真:懇親会の様子
    懇親会の様子

◆全国さくらシンポジウム現地見学会

  • 写真:現地見学会の様子(平和通り)
    現地見学会の様子(平和通り)
  • 写真:現地見学会の様子(日立風流物)
    現地見学会の様子(日立風流物)


  • 写真:現地見学会の様子(熊野神社)
    現地見学会の様子(熊野神社)
  • 写真:現地見学会の様子(十王スポーツ広場)
    現地見学会の様子(十王スポーツ広場)