公益財団法人日本花の会

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桜の名所づくり

整枝・剪定

皆さんは桜は好きですか。桜を楽しむ期間は7-10日位ですが、美しく咲かせることや樹形を維持するためにはその何倍もの労力が必要です。各地にある桜の名所も同じ様な悩みを抱えているはずです。桜にとってなにが良いか一緒に考えて行きましょう。

1.剪定の必要性

桜は枝の切口から腐りやすく、太い枝を切ると木が衰弱する原因となります。大木となってから枝を切らないよう、植え付けてから5年目までの間に将来の樹形をつくるための剪定を行いましょう。

2.剪定の基本

剪定する枝の名称と図

A.ひこばえや台芽
地際から伸びている枝は台木から出ている枝が多く、切らないと栄養がこの枝の方に集中してしまいます。

B.ふところ枝及びからみ枝
他の枝に絡むように伸び、風によってこすれ傷ができたり、折れたりして腐朽が入り込みやすくなります。

C.胴ぶき枝及び地面から1.5m~2.0mまでの枝
木が成長しても枝の位置は変わらないので、将来、通行の障害になる1.5~2.0m以下の枝は早めに剪定します。

D.さかさ枝
異形な樹形になってしまう可能性がありますので切り落とします。

※.枯れ枝など
景観上もよくありませんし、健全な枝の空間面積を狭くしてしまいます。

3.剪定する時期

落葉後の11月-3月上旬

4.剪定の方法

・剪定バサミで切れる太さの枝のうちに切るようにしましょう。
・500円玉以上の太さの枝は以下に示す手順で切り、切り口には必ず傷口の保護剤を塗布します。

太い枝を切る手順
①切る枝の下側に約1/3程度切れ目を入れる
②上から枝を切り落とす
③えりを残して幹に沿って切り口が平らになるように再度切る
④切り口に保護剤を塗る

5.不適切な剪定例

枝を途中で切ると(写真①)、そこから腐朽菌が侵入して太枝や幹の腐朽が進み(写真②)、樹勢に悪影響をあたえるのでやめましょう。


  • 写真①

  • 写真②