公益財団法人日本花の会

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新着情報

‘神代曙’の八重化に関するアンケート調査の結果について

日頃より当会の活動に格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

2023年4月に一部の地域で‘神代曙’が八重化していたことを受けて、この現象が一過性のものかを判断すべく、ホームページ・SNSを通じて情報提供を呼びかけました。その結果、11名から24件(北海道2件・宮城県2件・新潟県1件・茨城県3件・千葉県2件・埼玉県2件・東京都5件・神奈川県5件・岐阜県2件)の情報をいただきました。情報提供いただいた皆様には感謝申し上げます。
今回は大まかな傾向をつかむため、八重化の程度を3段階で尋ねました。全24件のうち、1件(茨城県)が「ほとんどの枝で八重化」、12件(茨城県・千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県・岐阜県)が「一部の枝で八重化」、11件が「全く八重化していない」という回答でした。特定の地域に因らず過半数の13件で本年も八重化が確認できたことから、この 現象が枝変わり(突然変異)ではなく‘神代曙’の生理的な特性と考えています。
また当会の結城農場(茨城県結城市)で八重化した枝に赤いテープで印をつけて経過観察したところ、開花から満開までは八重化は少なく、満開過ぎに開花する花に八重化する傾向が見られました。一方、北海道からは葉桜になりかけている個体でも「全く八重化していない」という回答をいただいています。まだサンプル数が少なく西日本のデータも欠けている状況ですので、情報収集の方法も含めて来年度の再調査に向けて検討を進めていきたいと思います。


  • 八重化した枝に付けた赤テープ(茨城県当会結城農場)

  • 八重化した枝(岐阜県恵那市)