桜見本園のご案内
桜見本園のご案内 《アクセス》
日本には約9種類の桜が山野に自生しています。これらと古くに中国から導入された2種類の桜が中心となって、様々な品種が生まれてきました。桜見本園ではそれらの品種を系統ごとに大きく分けて植栽し、展示・保存しています。
見本園-1 サトザクラ類
里桜は山に野生する桜に対して‘里の桜’の意味でつけられた園芸品種の総称です。大島桜を中心に、その他の桜が自然交雑したり人為的に交配が行われた結果生じた、変化に富んだ品種群です。ここには黄緑色の花を咲かせる御衣黄(ギョイコウ)や菊咲きの名島桜(ナジマザクラ)などが植えられています。
御衣黄 ギョイコウ

江戸時代から知られる緑色の花を咲かせる桜です。花は葉から変化したものといわれていますので、先祖返りをしたのかもしれません。
名島桜 ナジマザクラ

この桜の花は菊咲きで二段咲きとなります。花弁数が多く、小菊のような咲き方を菊咲きと呼びます。また、花の中から小さな花が出る咲き方を二段咲きといいます。
見本園-1 サトザクラ類(松前系品種)
北海道・松前町には、江戸時代より伝わる古い品種や松前で生まれた品種などがあります。この町で教職に従事していた浅利政俊氏はこうした桜の特性を調査するとともに、全国から多数の品種を収集してきました。また、八重桜の品種改良を進め、多数の優良品種を育成してきました。ここには松前町に古くから伝わる松前早咲(マツマエハヤザキ)や浅利氏が育成した品種が植えられています。
紅笠 ベニガサ

糸括(イトククリ)という八重桜の実生苗から1963年に選抜されて生まれた桜です。
花笠 ハナガサ

福禄寿(フクロクジュ)という八重桜の実生苗から1963年に選抜されて生まれた桜で、大輪の花の形が「花笠」に似ているところから名付けられた樹勢が強く美しい桜です。
見本園-2 ヤマザクラ系、オオヤマザクラ系
ヤマザクラ系
山桜は本州から四国、九州にかけて広く分布しています。花色や花形の変化に富んでおり、多数の品種があります。この系統は成葉の裏面が白色を帯びるという特徴があります。ここには虎の尾状に花をつける市原虎の尾(イチハラトラノオ)や石川県で発見された善正寺菊桜(ゼンショウジキクザクラ)、火打谷菊桜(ヒウチダニキクザクラ)などの品種が植えられています。
稚木の桜 ワカキノサクラ

高知県佐川町の山林に自生していた山桜の品種で、名前のとおり小さな樹でも花を咲かせます。
オオヤマザクラ系
大山桜は本州中部以北の寒冷地に分布する桜です。葉身基部が心形になる、新芽に粘着性があるなどの特徴があります。花色が濃紅色の個体が多いことから紅山桜とも呼ばれています。ここには野生種の大山桜とその品種が植えられています。
奥州里桜 オウシュウサトザクラ

岩手県盛岡市内でみられることが多い品種で、里桜と大山桜が交雑して生まれた桜と推定されています。
見本園-3 サトザクラ類
里桜は山に野生する桜に対して‘里の桜’の意味でつけられた園芸品種の総称です。大島桜を中心に、その他の桜が自然交雑したり人為的に交配が行われた結果生じた、変化に富んだ品種群です。広い意味では‘染井吉野’もサトザクラ類といえますが、系統的に類似した品種が多いため当会では、ソメイヨシノ系としています。ここには京都・仁和寺に多く植えられている御室有明(オムロアリアケ)や香りのよい千里香(センリコウ)などが植えられています。
鵯桜 ヒヨドリザクラ

古い文献にその名が記されながら絶滅していたと思われていましたが、1970年に石川県七尾市で再発見された珍しい桜です。花弁数は500枚以上あります。
御室有明 オムロアリアケ

余り大きくならない桜で、花を低い位置で見ることができるのでお多福桜とも呼ばれます。一本の樹の中で一重咲きの花と八重咲きの花が混ざって咲きます。
見本園-4 ソメイヨシノ系
‘染井吉野’は江戸時代末期に江戸・染井村(現東京都豊島区)の植木屋から「吉野桜」として売り出された品種で、今では桜を代表する品種です。江戸彼岸と大島桜の雑種と推定されていますが、同じ系統の品種が多いため当園ではこれらを便宜上、ソメイヨシノ系としています。ここには染井吉野の起源を研究した竹中要博士の作出した伊豆吉野(イズヨシノ)や米国で染井吉野の実生から作られたアメリカなどが植えられています。
アメリカ

米国・ワシントンで栽培されていた‘染井吉野’の実生から選抜された品種といわれ、曙(アケボノ)の名前で日本に導入されましたが同名の品種があったため新たにアメリカと名付けられました。
紅鶴桜 ベニヅルザクラ

神奈川県真鶴半島で発見された品種で寒桜(カンザクラ)と‘染井吉野’の自然雑種と推定されています。
見本園-5 エドヒガン系
江戸彼岸は本州、四国から九州に野生する桜です。桜の中ではもっとも長命な種類で山梨県北杜市(旧武川村)にある「山高神代桜」という江戸彼岸は樹齢2000年ともいわれています。ここには江戸彼岸の他に枝が枝垂れる紅枝垂(ベニシダレ)や童謡作家の野口雨情にゆかりのある雨情枝垂(ウジョウシダレ)などが植えられています。
雨情枝垂 ウジョウシダレ

栃木県宇都宮市鶴田町の野口雨情宅にあった枝垂れ桜です。野口雨情は童謡の「赤い靴」、「七つの子」などの作詞で知られている茨城県北茨城市出身の方です。
見本園-6 サトザクラ類
里桜は山に野生する桜に対して「里の桜」の意味でつけられた園芸品種の総称です。‘大島桜’を中心に、その他の桜が自然交雑したり人為的に交配が行われた結果生じた、変化に富んだ品種群です。広い意味では‘染井吉野’もサトザクラ類といえますが、系統的に類似した品種が多いため当会では、ソメイヨシノ系としています。ここには平成になって発見された黄花の八重桜である、須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)などが植えられています。
須磨浦普賢象 スマウラフゲンゾウ

兵庫県神戸市の須磨浦公園で普賢象(フゲンゾウ)の枝変りとして発見された非常に珍しい黄花の八重桜です。
見本園-7 海外から導入した品種
桜は日本だけでなく海外でも愛され、様々な品種が育成されています。また、中国や韓国にも野生種の桜があります。ここには韓国固有種である竹島桜や米国で品種改良されたピンククラウド、ベルギーで作られたピンクウェーブ、英国で作られたクルサルなど外国産の様々な桜が植えられています。
クルサル

この品種は英国の桜愛好家が寒緋桜と千島桜を交配して作出した桜です。
ピンククラウド

米国・南カリフォルニアのハンティントン植物園で発見された桜で寒緋桜と他種の雑種と推定されています。
桜見本園のご案内
国内外から約400種の桜の品種を収集し、野生種の系統ごとに品種を植栽するとともに、品種の特性調査や優良品種の選抜、保護育成に関する研究に取り組んでいます。
また、多彩な品種を活用したモデルガーデンを設け、個性的な名所づくりを提案しています。
10品種の桜が一斉に開花する「十色桜の並木」(4月)
池の周辺に桜を植栽した「憩いの広場」
系統ごとに品種を植栽した「品種見本園」
見学について
開園日時:平日10時~15時 ※飲食禁止
三密防止のため団体入園を現在お断りしています。(バスツアーなど団体の受入不可 ※受入停止中)
バリアフリーなど車椅子対応の通路や設備は整っておりません(車椅子用トイレはありません)
休園日:土日・祝日 ※立入禁止
【重要】感染症拡大防止のため、2022年4月の休日開園は中止となりました
入園料・駐車料金(共に無料)
駐車場スペースは限られています。バス、マイクロバスは駐車できません。
アクセス
自家用車ご利用の場合
東北自動車道 佐野・藤岡ICから国道50号 約60分
公共交通機関ご利用の場合
JR水戸線結城駅からタクシー約20分、JR宇都宮線小山駅からタクシー約30分

園内でのお願い及び禁止事項
【禁止事項】
桜見本園に関するお問い合わせ
公益財団法人日本花の会 結城農場
〒307-0044 茨城県結城市田間2217
下記フォームよりお問合せください
TEL : 0296-35-0235
FAX : 0296-35-3385