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災害復興支援

生き残った“思い出桜”への支援

生き残った“思い出桜”の治療・保護、接ぎ木による後継樹の生育や接ぎ木講習会の開催を支援します。

“思い出桜”の治療例

2本の“思い出桜”(宮城県女川町)

写真:2本の“思い出桜”(宮城県女川町
写真:2本の“思い出桜”(宮城県女川町

はじめに(経緯)

5月11日に津波によって枝のほとんどを失った桜を助けてほしいと、宮城県女川町の方からの情報が入りました。
さっそく連絡を取り事情を聞いてみると、町役場の駐車場にあった2本の桜で、もうだめかと思っていたところ、残っていた芽からわずか数輪の花が咲いたとのことでした。
そしてどうにかしてこれらの桜を助けたいので、現時点で出来る処置はないかとの相談でした。
女川地域には、約30年前に当会が幹の直径6・7㎝の桜をお送りした記憶があり、いただいた情報からも当会で生産した桜である可能性が高いと思われました。 さっそく写真を送ってもらい、その2枚の状況から現在必要な処置を考えた結果、桜を助けるには緊急性を要し、Eメールでのやり取りでは手遅れになってしまう。現地には桜を助ける物資が不足しているなどを考えて、当会職員を現地に派遣して処置を行うべきと判断し出向きました。

写真:2本の“思い出桜”(宮城県女川町
写真:2本の“思い出桜”(宮城県女川町

被害状況及び応急処置方法

被害状況
【東側】 幹周:1.10m

  • 太枝破損5か所
  • 太枝から主幹にかけ幹割れ(亀裂の長さ約1.5m)

【西側】 幹周:0.90m

  • 太枝破損4か所
  • 主幹上部新枝あり(枯かけ)
  • 胴ぶき2か所

応急処置方法

①樹皮に付着している塩を強めの水圧で落とす。
②太い枝の折れた個所を切り落とし、腐朽菌の侵入面積を最小限にする。
③土壌塩分を真水散水で希釈。
④夏場の樹皮の日焼け対策(幹巻き)。
⑤土壌表面の乾燥、踏圧防止指示。

写真:2本の“思い出桜”(宮城県女川町

作業完了後の様子

現況から夏を越すことは容易なことではないと思われます。生き残るか、それとも枯れてしまうのかは、この夏越しが一つの山です。
それまでは現地の人と連絡を取り合い、とくに胴ぶき枝の状況を観察していきます。
9月下旬に再度訪れて桜の様子を診て、保全対策の再検討と併せて、後継樹育成の必要性についても明確にしていきます。