公益財団法人日本花の会

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桜の名所づくり

‛ 染井吉野 ’ に拡がる異常なコブ症状に注意しましょう

1. ‘ 染井吉野 ’ の枝に見られる異常なコブ症状について

皆さんがお花見を楽しんでいる ‘ 染井吉野 ’ の枝に、下記の写真の様なコブ症状は発生していませんか。 数年前より‘ 染井吉野 ’ の枝に、このようなコブ症状が目立つようになってきました。現在、研究機関による調査・研究が進められていますが、未だ原因が明らかになっていません。しかしながら、日本各地の ‘ 染井吉野 ’ に被害が蔓延しており、伝染性があることは明確です。枝の一部に生じた小さなコブは数年かけて徐々に大きくなり、やがてコブより先端の枝が枯死したり、樹全体に広がって樹勢が衰退していきます。
写真: 写真:コブ症状(拡大) 写真:コブ症状によって枯れた枝
  • 写真左:‘ 染井吉野 ’ の枝にできたコブ症状
  • 写真中:コブ症状(拡大)
  • 写真右:コブ症状によって枯れた枝

2. コブ症状が発生している‘染井吉野’の処置方法

コブ症状が発生する原因が不明のため、現状では切除するしか有効な対策はありません。被害が蔓延している状況から伝染性の病害であると考えられるため、出来るだけ早期に切除することが望まれます。処置が遅れると太枝にまで病気が進行してしまい、太枝を剪定せざるを得なくなり樹形が著しく乱れます。
サクラは春から秋にかけての成育期に剪定すると切断部から腐朽しやすいため、切除は落葉期間中(12~2月)に実施し、切断面には殺菌癒合剤を塗布します。また、切除した枝は伝染経路が不明なため現時点では焼却処分することが望まれます。
‘ 染井吉野 ’ は萌芽性が強いので、剪定後の管理を充実することにより樹形の再生や樹勢回復を図ることができます。方法としては、つぼ穴方式や打ち込み式肥料などによる施肥が有効です。
写真: 写真:つぼ穴方式の施肥 写真:太枝を切詰めた後、樹形が再生しつつある‘ 染井吉野 ’
  • 写真左:対処が遅れて太枝を剪定することになり、樹形が乱れた ‘ 染井吉野 ’
  • 写真中:つぼ穴方式の施肥(枝の再生に効果があります)
  • 写真右:太枝を切詰めた後、樹形が再生しつつある ‘ 染井吉野 ’

3. 皆様へのお願い

既存の‘ 染井吉野 ’ を守るためには、コブ症状の感染拡大を防ぐことが不可欠です。そのためにはコブ症状の早期切除が有効です。このコブ症状が第二のサクラ類てんぐ巣病にならないように、コブ症状は病気であるという認識を持ち、日頃から注意深く観察しましょう。また、コブ症状がみられる枝を切除した場合、一時的に樹形が乱れることがあります。特に、太枝にコブ症状が発生した個体は樹形が著しく乱れます。しかし、樹形を崩すことになっても ‘ 染井吉野 ’ を保全するためには、太枝を切除せざるを得ない場合があることをご了承ください。