桜の名所づくり
桜の病害
‘染井吉野’の配布・販売の取り止め
‘染井吉野’ は日本人に最も親しまれている桜ですが、サクラ類てんぐ巣病に罹りやすいことが知られています。 この病気に罹った枝は そのまま放置しておくと徐々に蔓延し、花が咲かなくなり、やがて枯れてしまいます。
また、サクラ類てんぐ巣病は伝染性の病気であるため、‘染井吉野’を継続して 配布することがこの病気が拡大につながることを懸念し、日本花の会では 2005年度から‘染井吉野’の配布を中止しました。
根強い ‘ 染井吉野 ’ の人気に応えるため、植栽地で定期的な管理を実施し、 責任を持ってサクラ類てんぐ巣病の対策がおこなえる場所に対しては 販売という形で対応してきましたが、2009年度から ‘ 染井吉野 ’ の苗木の販売を中止致しました。
‘染井吉野’の代替品種
‘神代曙(ジンダイアケボノ)’
Prunus × yedoensis ‘Jindai-akebono’
花は中輪、一重八重咲きで淡紅色。開花期は4月上旬。 都立神代植物公園に原木があります。‘染井吉野’よりもサクラ類てんぐ巣病にかかり難く、濃い花色をしています。‘ 染井吉野 ’ 系です。
最近確認される病害虫
侵入害虫 クビアカツヤカミキリ
2012年に日本で初めて侵入が確認されたクビアカツヤカミキリが現在もその分布を拡げていることが懸念されています。
クビアカツヤカミキリによって加害されたサクラは枯れてしまう可能性もあり、これ以上生息地が拡大しないように早期の撲滅が求められる病害虫です。
【対策】
クビアカツヤカミキリについて
枝に形成される“こぶ”
近年、サクラの枝に形成されている“こぶ”(写真は‘染井吉野’)がよく観察されています。
この“こぶ”について、まだ詳しいことはわかっていませんが、 日本花の会では第二のてんぐ巣病になる可能性があるとして現在調査中です。
【対策】
サクラに形成される“こぶ”について
アブラムシ類
春期萌芽した新葉が捲くれて展開せず、このような症状の葉が次々増えていく。 被害がひどい場合には、新枝の成長が止まり夏季に落葉することもある。 萌芽直前ごろ薬剤散布時すると効果です。但し、葉が捲いてしまった後での散布は効果が少ないので注意が必要。
【対策】
サクラに発生する代表的なアブラムシ類
チュウレンジバチの幼虫
1年に3~4回発生する。
多くはバラの葉に発生して、葉を周辺部分から食害し、主脈を残して丸坊主にしてしまう。
【対策】
発生初期の群棲している幼虫を葉ごと切り取って捕殺する。 大量に発生している場合は薬剤を散布する。
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