公益財団法人日本花の会

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桜の名所づくり

サクラ類てんぐ巣病

被害の発生状況

カビの一種が原因で発生する伝染病で、病気にかかった枝についた葉の裏面に形成された病原菌の胞子が、空気中に飛んで感染していきます。感染すると枝が異常に発生して、花が咲かなくなる病気です。放置しておくと感染した枝はやがて衰弱し、枯死してしまいます。

<開花の状態>

‘染井吉野’ の場合、病気にかかった枝は、開花時に葉が出るのでよく目立ちます。

防除方法・予防方法

現時点では薬剤での防除方法が確立されていないため、病巣部を切除するしか有効な対策はありません。作業は落葉期間中に行います。一度の除去作業では取り残しなどがあるため、最低3年間は継続して除去作業を行うことが重要です。桜の中でも ‘染井吉野’ は感染しやすい品種なので、周辺にこの病気にかかった桜がある場合にはこの品種を避けることや、病巣部の切除作業が出来ない場所には植えないことも一つの方法です。

サクラてんぐ巣病は、病気が発生した初期(写真左)に切除すると効果的に予防できますが、放置しておくと徐々に蔓延してしまいます。(写真右)