花のまちづくり
花の魅力を活かす
人が出入りする場所などにひと鉢の花が飾られているだけでも気持ちが落ち着きます。個人の庭で丁寧に手入れがされ、きれいに咲く花を見て、感動しない人は少なくありません。
花がもつ魅力は、見て美しくきれいなだけではなく、まわりの風景と一緒になることで魅力が何倍にも高まります。
では花の魅力とはどういうものでしょう。
- 美しさ、華やかさ、香りを肌で感じる
花には私たちの五感を奮い起こさせ、魅了する美しさや華やかさ、優しさ、香りがあります。これらを活かすことで多くの感動が得られます。 - 季節の移ろいや自然を身近に感じる
花や緑を育てることで、季節が感じられます。私たちが自然の一員であることや環境を思いやる気持ちを思い起こさせてくれます。 - 成果が早く現れる
種をまいてからわずか数ヶ月で花を咲かせます。短期間で花壇をつくることができます。季節毎の花の変化を楽しみに人が訪れ、地域が賑わいを見せ、まちの活性化を促します。 - 情操教育の一環として
子供達が四季折々の花を育てることは、草花を愛しむ心を育み、生命の尊さを学べる絶好の機会で、人や生物への優しさにつながります。子供のころの体験や経験、感動した事は、いつまでも心に残ります。
心を揺り動かすデザイン
西洋の庭づくりを見習う一方で、昔からある日本の庭園づくりの様式を現代風にアレンジして庭づくりに活かすことも必要です。日本独自の花のまちづくりのスタイルです。
地域らしさを演出
家並みや街並、山や川の自然、そして歴史や文化を守り育むことが地域らしさの表現につながります。花壇づくりでも、昔から生育する草花や気候風土に良く馴染んで育ちやすい宿根草などを使うと、地域らしい自然な感じを演出することができます。
季節感の演出
古くからあるヤマブキやアジサイなどの花木やキキョウ、シュウメイギクなどの宿根草は、季節を教えてくれるかのように花を咲かせます。春を代表するハナナや秋のコスモスなども季節の風物詩として定着しています。花による季節感の演出は、日本人が古くから自然と親しんできた良き伝統で、残していきたいものです。
いろんな種類の花を植える
花壇のデザインを決める一番のポイントは、花の種類の多さと多様さです。宿根草、球根、一年草、花木といった、いろんな種類の植物を植えることによって、変化に富んだデザインが生まれ、表現方法が自由に広がって行きます。 また、自然の中で植物が共生している姿を感じさせ、風情や深みも表現できます。
風情ある花飾り
昔からある容器や素材を工夫することで地域の独自性が出ます。画一的で人工的なプランターは魅力に乏しいばかりでなく、管理面でも水やりが大変です。風情がある粋な花のデザインを心がけましょう。